「デザインの仕事をしているけれど、単価がなかなか上がらない」
「バナーやLPの受注を続けているけど、単価は限界かも」
そんな風に感じていませんか?
私はもともと、グラフィックデザインを中心に活動していたフリーランスです。
しかし、“文章”の力を取り入れたことで、案件単価は2倍以上に上昇し、リピートや紹介、安定収入まで得られるようになりました。
この記事では、私が実際に経験した「デザイン+文章力」の掛け算によって単価が上がった理由、身につけた方法、活用できたジャンルまで、体験とノウハウを両方の視点でお伝えします。
と言っても、個人用のメモ程度なので軽く流し読みしてください。

デザインだけでは、単価の上限が見えていた
私がデザイナーとして独立した当初、主な仕事は下記のようなものでした。
- 広告用バナー制作
- A4チラシ・パンフレットのデザイン
- ランディングページのビジュアル制作
- SNS投稿画像のデザイン
その単価は、以下のような相場感でした。
制作物 | 平均単価(相場) |
---|---|
SNSバナー | 3,000〜5,000円 |
A4チラシ | 10,000〜15,000円 |
LPデザイン | 50,000円前後(構成なし) |
ある程度経験を積んでも、「この業務の相場はこのくらい」という価格帯が存在することに気づきました。
この単価感の中で、他のクリエイターと比較・競合され、価格で選ばれる構図になりがちです。
スキルやツールを磨いても、見積もりが1.5倍になる程度。
「自分の市場価値を上げるには、他の軸が必要かもしれない」と漠然と感じていました。
「この文章、少し見てもらえませんか?」がきっかけだった
ある案件で、クライアントにこう言われました。
「このチラシ、文章もちょっと固い気がしてて。修正も一緒にお願いできる?」
そのとき私は、「私はデザイナーで、文章のプロではないから…」と思いつつ、数か所だけ修正した案を提出しました。
すると、
- 「読みやすくなりました!こっちの方が伝わります」
- 「文章とデザインを一緒に見てもらえるの助かります」
- 「構成からお願いできるなら、次のLPもぜひ」
と、想像以上に感謝され、次の案件にもつながったのです。
デザイン+文章力で、仕事の質と単価が変わった理由
上流から関わることで「単価の基準」が変わる
それまでの依頼は、「このチラシのデザインをお願いします」という作業レベルの依頼でした。
文章まで関わるようになると、
- 「このサービスの魅力を伝えたいんだけど、どういう構成がいいかな?」
- 「ユーザーが手に取りたくなる言葉も一緒に考えてもらえる?」
- 「最初から提案ベースで一緒に形にしてほしい」
という、企画・設計段階からの依頼に変化。
「作業」ではなく「企画〜表現全体の支援」になり、自然と報酬もパック料金(数万円〜)で相談されるようになりました。
「文章+デザイン」ができる人は希少
意外と見落とされがちですが、文章とデザインの両方を“ビジネス視点で”扱える人は多くありません。
- デザイナーは「ビジュアル」は得意でも、文章は苦手
- ライターは「言葉」は得意でも、見せ方までは関与しない
その中で、
- 情報を整理して、
- 訴求力のある言葉を選び、
- 伝わる形でデザインできる
というスキルは、他と競合しにくく、単価競争から抜け出せる強みになります。
「デザインだけ」の案件はコンペや価格競争になりがちですが、「文章もまとめてできる人」になると、指名や相談ベースで依頼されることが増えました。
クライアントが「外注の手間が減る」と感じる
これが一番大きかったかもしれません。
- 構成・ライティング → ライター
- デザイン → デザイナー
- 入稿用データ → 自社で調整
これまでは3工程に分かれていた作業が、私に依頼することで1つの窓口で完結するようになったのです。
結果、リピート・紹介・「今後も任せたい」が増え、単価と仕事の質が同時に上がりました。

文章力をどうやって身につけたか?私がやったこと
私はプロのコピーライターではありませんが、以下のようなステップを意識してきました。
制作物の「言葉」を意識する
- 自分の作ったバナーやチラシに使われた言葉
- 提供された原稿と完成デザインの整合性
- 「この言葉で伝わるのか?」を常にチェック
良いコピー・文章を集めて分析
- 目に留まった広告のキャッチコピーをメモ
- LPの構成をPDF保存してストック
- 「なぜ刺さるのか?」「誰に向けて書かれているのか?」を分析
ライティングの型を知る
- AIDA(注目→関心→欲求→行動)
- PAS(問題→共感→解決策)
- FAB(特徴→利点→メリット)
型に沿って言葉を考えることで、構成+文章+デザインが整うようになります。
あとは、「自分が消費者として納得する言葉とは何か」を観察するようになりました。
専門性よりも「伝わる感覚」を磨く意識でいたことが、結果的にプラスになったと思います。
実際に単価が上がった事例
ここで、私が経験した案件の単価変化を紹介します。
案件内容 | 文章力なし | 文章力あり | 備考 |
---|---|---|---|
バナー10本 | 約4万円 | 約8万円 | コピー・構成案付きで納品 |
チラシ制作 | 2万円前後 | 5万円〜 | 構成・キャッチ・ライティング込み |
LP制作 | 4〜6万円 | 10万円〜15万円 | 全体構成+原稿込みで提案 |
一つ一つの案件が大きくなったことで、対応件数は減っても収入は安定し、余裕も生まれました。

デザイン+文章力が生きる仕事ジャンル
文章+デザインが活きる具体的な場面は多岐にわたります。
- LP(ランディングページ)の構成〜デザイン
- SNS広告・バナー広告の企画提案
- 店頭チラシ・販促ツールのライティング含む制作
- Webサイトのトップページ提案書
- 資料デザイン(営業資料・提案書)
案件ジャンル | SEOキーワード | 解説 |
---|---|---|
LP制作 | LP 構成 ライティング | 提案段階から入りやすく単価も高い |
バナー広告 | バナー コピー デザイン | コピー力でクリック率も変わる |
営業資料 | 営業資料 見せ方 | 見せ方と伝え方の両方を担える |
チラシ | チラシ キャッチコピー | 購買を促すワードが重要 |
SNS投稿画像 | SNS 画像 文言 | 反応率UPの施策として需要あり |
クライアント側にとって「ビジネス目的を理解して形にしてくれる人」は、ただの外注ではなく、戦力として見てもらえるようになります。
今振り返って感じること
- 「文章は苦手」と思って避けていたけれど、学んでみると「伝わるデザイン」に直結していた
- デザイナーに必要なのは「装飾」ではなく「意図の設計」であり、それは文章と繋がっている
- 複合スキルがあると、価格競争から離れられるどころか、信頼関係が生まれて“相談される立場”になれる
デザイン+文章は「売る」力を高めるスキルです。
そして、「売る」ことができる人には、自然と価値がついてくる。
まとめ:かけ算のスキルは信頼と単価を生む
- 文章を少し整えることで、見た目だけでなく伝わるものが作れる
- クライアントが「任せたい」と思うのは、“丸ごとお願いできる人”
- スキルのかけ算は、単価・働き方・信頼のすべてに影響する
私は「文章が得意なデザイナー」ではなく、「言葉を扱うこともできるデザイナー」です。
この違いだけで、単価は2倍になりました。
単価アップに必要なのは「価値のかけ算」
- デザイン力 × 文章力 = 提案力
- 提案力があると、金額ではなく「この人に頼みたい」と言われる
- 専門性より「伝える視点」を磨くことで、リピート・紹介・継続が生まれる
デザイン+文章のスキルは、あなたを“作業者”から“相談相手”に変えてくれます。
これからのフリーランスに必要なのは、「できる作業」よりも「提供できる価値」。
その一歩として、文章力という武器を加えてみてください。
文章だけができても、デザインだけでも、ここまでの成果にはなっていなかったと思います。
「この人に頼めばまるっと解決する」という印象を持ってもらえたからこそ、継続や紹介につながり、単価も上がりました。
デザインに少し言葉の力を加える。
文章に少し見せ方の意識を加える。
そうした複合スキルが、自分の武器になる瞬間があります。
「文章も得意」と名乗る必要はなくても、「文章にも気を配れるデザイナー」であることは、確実に差別化につながります。
もし今の仕事に天井を感じているなら、伝える力(=文章力)を足してみてください。
きっと、自分の可能性が広がります。
